ビジネス時事通信Vol.9…【人が来ない】

人が来ない

当社は現在35歳以下で営業担当をハローワークや転職サイト等で募集しているのですが、応募がなかなか思うように集まりません。
特別条件が悪いとも思っていないのですが、色々探ると当社に限った話ではないようです。
何が起きているのか、調べてみました。

応募が来ない原因を4つにまとめました。

1.タイミングや採用活動の見直しが不十分

これは求人の仕組みや打ち出し方を見直しなさいというリクルート関係の企業の発信のようです。
事実ではありますが、技術的な話ですね。
人事担当はシビアにそういったことが求められているのでしょう。

2.そもそも母数が無い

知ってのとおり、人口は減少し、出生率も下がっているので応募してくるヒトそのものが少ないということですね。

3.求人募集の数が多い

どこの会社も人手不足と言っています。
応募してくる側はかなり選べる市場になっているので、採用条件のハードルは高く設定されているのだと思います。

4.若い人の賃金が低い

能力に関係なく若い人だから給与が低いという年功序列型の企業が日本は多いのですが、
一寸先は闇のような時代の変遷の中で能力の高い若い人が中高年になったらいい給料をもらえるとして、
低賃金で我慢するかといわれれば多分難しいでしょう。数年後に会社そのものがあるかどうかの時代です。
また、税金の上昇は賃金の上昇を凌駕しているので、手取りは少なくなっています。
若い人が最低限自立して暮らすということが難しくなっているように思います。


上記の4つが代表的なものですが、特に賃金が低いということについては今や日本人の賃金は韓国にも抜かれるほど低水準となっています。
日本で作るより海外で作ったほうがコストがかからなかった商品も国内製造に変わってきています。
それくらい日本人の賃金は減少しています。ここ20年で見ても世界で賃金がマイナスなのは日本くらいです。

私自身もこの日本は労働対価が著しく低いと感じており、その原因は明らかに政策にあるのですが、
ここまでくると「働いても働かなくても大して変わらないなら、必死に働く必要はない。」という人が増えてもおかしくないです。
実際にベーシックインカムはすぐそこに来ています。

そういった時代にどうやって従業員を採用するのか、採用した人材を留め置くのか、
さまざまな考察の中で、会社は「お金」が欲しい人ではなく「継続して働ける環境」を求めている人を採用すべきではないかと考えます。
もちろん社会不安から最低限のお金は必要ではあります。ただお金はキリがありません。
また人間は自己評価を3割増しくらいに評価してしまうものなので、余裕のある会社でない限りは長くお金で解決していくことは難しいでしょう。
「最低限」のお金は人によって違いますが、世の中の給与水準はもうかなり「最低限」の設定に肉薄してきた印象があるので、
お金を求める人の感覚も理解できます。

「継続して働ける環境」を求めている人とはどういう人でしょうか?
世の中様々な仕事があり、私もいくつかの職場を経験してきましたが、結局はそこで働く人と人間関係がうまくいかないと長続きしません
そこに働く人々に対する愛情が芽生えてきたら、今度は周囲の人のために働くという善意で取り組めるようになります。
縄文時代は労働は悪ではなく善でした。一緒に暮らしている人のために労働することが幸せだったのです。

とはいえ、今皆さんが生きている令和の時代、他人が労働対価をかすめ取っていく時代においては、
その再現が難しくなっているのかもしれません。苦悩の時代が到来しています。
人を採用できないなら出来る限り心の通った仲間たちだけで業務を回せる方法を模索するしかないのでしょう。
人数を少なく今まで通りの業務が行えれば一人当たりの収入は増やせます。
案外、人を採用できないことが企業の成長につながるのかもしれないですね。

愛のある皆様のご応募お待ちしております。
現在募集している求人詳細はdodaからもご覧いただけます。

それでは今年も一年よろしくお願いします。