ビジネス時事通信 Vol.7

〇〇年問題

さて、皆様は2000年問題を覚えていますでしょうか?
西暦2000年になるときの話ですが、ほとんどのシステムが下2桁で運用されていたため、
99から00に変更になるときに大規模なトラブルが発生するのではないかと、
日本中の保守担当者が大騒ぎしていた問題です。

こういった〇〇年問題というものが数年先、続きます。

①2024年問題
 …2024年4月1日から施行されるドライバーの時間外労働時間の上限規制によって発生するさまざまな問題のこと。

②2025年問題
 …団塊世代800万人が後期高齢者(75歳以上)になり超高齢社会が訪れることで生じるさまざまな影響のこと

③2030年問題
 …人口の3人に1人が65歳以上になることで発生する問題の総称。

2024年問題

現在物流関係に従事するドライバーの時間外労働時間の上限が規制(年960時間、月80時間)されて、現行どおりの時間外労働ができなくなるため、
このことによって業界問わず様々なサプライチェーンに影響を生じるといわれている問題です。

規制の背景には、ドライバーの長時間労働の抑制と低賃金化に歯止めをかけることがあります。
時間外労働の上限となる時間は960時間(月80時間)と、一般の720時間に比べればまだ上限は高いように見えますが、
これにより運送業界の雇用は頭数を増やして雇用しなければならなくなります。

そもそも、この運送業のドライバーは人手不足が顕著で、現行でもドライバーの急募をしている会社も少なくありません。
さらに現在はECサイトなどの需要も高まり、一層ドライバーの業務は増えてさらに今後も増える見通しです。
配送無料が増えてなんでもネットで買ってしまう人が増えたことで、規格や配送時間に悩まされて
積載効率が落ちているといわれています。

もう一つ懸念しなければならないのがドライバーの高齢化です。
現在のドライバーの年齢層は20代以下が全体の10%以下で、かつ40歳から54歳が45%と高齢なため、
この世代が定年を迎えるときにどうするかが対応を求められています。

大手運送会社は対応策としてすでに進めているのが個人の配送業者に〝下請〟することによって自社の社員の時間外労働を削減する、
という取り組みです。最近軽トラックが増えたように思いますが、配送請負をしている個人事業たちに小口配送を委託し、
はみ出た分は自社の社員で配送しており、すでに一定の成果を上げているといいます。
ただし、その受け皿となる個人の配送業者にも限界があるので問題の根本の解決とはならないようです。
国はこの解決に「DX化」を提案していて、むしろ「DX化」を進めたいからヒトの規制をしたとも捉えられます。

ロボット、ドローン、電子化、自動化。大手運送会社はうまくまとめられるでしょうか?

2025年問題2030年問題

団塊世代800万人が後期高齢者(75歳以上)になり超高齢社会が訪れることで生じる影響のことですが、
2030年問題も同じ趣旨の問題なので合わせて考えていいと思います。具体的にどのような影響があるでしょうか?

医療費や介護費の増大し、またそれに伴う現役世代の負担の増大します。
さらに75歳以上の後期高齢者の病院などでの窓口負担を今の原則1割から一定の所得以上の人は2割に引き上げられます。

事業承継問題と人材不足が表面化します。
今後は第三者承継(事業承継型M&A)のニーズが一気に増大する可能性があるといわれており、
事業承継のための後継者育成は中小企業では急務となっています。
さらに人材不足が加速し、業種別に最も不足するのは「サービス」、次いで「医療・福祉」と分析されていますが、
これによりサービスの質の低下は避けられないとされています。
利用者側も海外でよくある「サービスにお金を払う(チップ)」のようなものも一般化するかもしれません。
それくらい人のサービスに敏感になっていくことが想定されます。

事業承継はさておき、
基本的には人材をどのように確保し、定着させ、生産性を上げる(少ない人数で成果を上げる)
ということに取り組まなければならないわけです。
そのためには人事制度の見直しなどで社員のポテンシャルを最大限発揮できる条件をそろえてあげる必要があります。
さらに若い世代の賃金を向上させて若い人材の採用のハードルを下げることも重要です。

また、かつてサッカー日本代表の監督だったイビチャ・オシムが「古い井戸にはまだ水が残っている」と表現していましたが、
定年を迎えた能力のあるシニア世代の活用も検討すべきです。

さらに2024年問題でも触れたましたがここでもヒトが採用できないならロボットでという視点も持ち合わせていなければなりません。
どちらかというとロボットが出来ることは出来る限りロボットにやらせて、
ロボットが出来ないことはヒトがやる。という順序立てで考えたほうがコストに対する生産性は上がるかもしれません。

2030年問題の社会課題には空き家の問題が出来てきます。3軒に1軒は空き家になると言われています。
ボディブローのようにじわじわとインフラが荒廃、農業人口が減り農村も荒廃、生活の難易度が上がっていくでしょう。
社会の変化で会社も家庭も環境は確実に変わります。会社もヒトも生き残りをかけた戦いはすでに始まっています。
この戦禍の中、しっかり情報を集めて考えて生存戦略を実行していきましょう。

最後に、今後ご紹介するかもしれない政府が現在検討中の増税案をチラ見せします。

相続税…2023年4月 相続財産への加算期間が3年から5年に延長。

エコカー減税
 …2023年4月 対象車種絞り込み、ハイブリッド車の減税幅縮小による適用基準引き上げ

消費税
 …2024年10月?
  消費税15%へ引上検討中。

炭素税
 …2024年?
  CO2排出量に応じた企業への課税。2024年から段階実施可能性。

退職所得控除
 …2024年?
  勤続20年を超えた際の退職所得控除が勤続年数問わず一律に設定される見通し。

配偶者控除見直し
 …2024年?
  年収103万円以下の配偶者控除。廃止を検討中。

たばこの増税
 …2024年?
  防衛費予算の拡充目当ての財源としてたばこ税の増税を検討中。

道路利用税
 …2025年?
  EV車の車重が重く、道路に負荷をかけているという理由で、走行距離や道路利用に応じた税を検討中。